労働環境の悪い職場から離れたい。給料が低すぎる。ハラスメントをしてくる嫌な上司にはもうウンザリ。
このような悩みを持っていても、半ば脅しに近い引き留めや人手不足の会社で「辞めたい」とは、なかなか言い出しにくいですよね。
賛否両論があるとは思いますが、僕は退職代行サービスを利用して退職しました。ある意味というか、ほぼバックレ退職で会社や同僚には悪いことをしたなと心の隅で感じています。
しかし、入社当時を思い出すと会社説明会で話を聞いていた内容とは違いすぎました。
”捨て駒”のように使われ、いつまで経っても低賃金で働かされるシステム。経営陣が無能なのに責任は末端の社員。明るい将来が見えず「騙された」という気持ちもあります。
14年もの間、会社の方針に疑問を抱きながらも働き心身ともに不調をきたして辞めました。
退職代行を使うと円満退職ではありませんので、後から書類を取りに行ったり、会社に書類についての詳細を聞くことができません。
この記事では、退職した後に「回収した書類・提出した書類」を”ざっと”まとめています。
退職した後に回収・提出した書類まとめ
- 離職票
- 給与所得の源泉徴収
- 健康保険(または厚生年金保険)資格取得(損失)証明書
- 退職所得の受給に関する申告書
- 年金手帳(預けている場合)
- 企業型確定拠出年金(DC)の移管届
- 被扶養者(異動)届(扶養になる場合)
- 確定申告に必要な書類
退職日を迎えるまでは、退職代行サービスの人に「回収して欲しい書類」や「会社に残している物」を伝えると、会社から郵送で送るように指示してくれます。
通常は「必要な物全部」と言えば伝わると思います。イジワル・ズボラな会社でなければ…
離職票
離職票は公共職業安定所(ハローワーク)で雇用保険失業給付に必要な書類で、いつ退職したかの証明書にもなります。
扶養になる場合は、「本当に退職をしているか・条件を満たしているか」の確認で提出(コピー)を求められました。
離職票の発行手続きは時間がかかり、役所が混み合う時期は退職日から届くまでに10日以上かかります。
給与所得の源泉徴収
1月1日から会社を辞めるまでに支払われた「給与・賞与」と「源泉徴収税額」がいくらなのかを主に書いている書類です。
転職時は転職先の会社に提出して年末調整で。年内に就職しなかった場合は、自分で行う所得税の確定申告時に使います。
税務署は退職後の収入(年度の収入)がどうなったのかを把握していません。ですので、収入が「あっても・なくても」確定申告で報告します。
収入が減って所得税を納め過ぎている場合がほとんどだと思います。還付金は振り込みで受け取ります。
僕は9,000円ほど戻ってきました。
健康保険(または厚生年金保険)資格取得(損失)証明書
転職をする場合は次の会社で新たな健康保険に加入します(空白日なしの場合)。
転職をしない場合は会社と折半で支払っていた健康保険から、原則下記3つのうちから1つを選択します。
- 国民健康保険に加入
- 家族の扶養に入る
- 前の会社で任意継続被保険者制度の利用(要件・限度期間あり)
簡単にご説明すると「国民健康保険に加入」は自分で加入する。「家族の扶養に入る」は扶養してくれる身内が務めている会社(健康保険組合)に加入する。
「任意継続被保険者制度」は、前に勤めていた会社の健康保険に2年間を限度に引き続き加入させてもらう3種類です。
退職所得の受給に関する申告書
退職所得とはいわゆる退職金です。
退職金にも税金がかかるのですが、「退職所得の受給に関する申告書」を前の会社に提出すると「退職所得控除」が適用され、納める税が大きく軽減されます。
退職金が出る場合は記入用紙も一緒に送られてくると思います。送られてこなかった場合は国税庁のホームページからダウンロードして前の会社に提出しましょう。
参考:国税庁 [手続名]退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)
退職金は長年勤めた功績への報酬という意味で減税が適用されるそうです。記入例の年金太郎は、今の若い世代からすると貰いすぎだと思います。
年金手帳
会社が保管している場合は年金手帳も一緒に送ってもらいます。どこにいったか分からない場合はお近くの年金事務所で再発行してもらえます。
参考:日本年金機構 Q. 年金手帳を紛失したのですが、再発行はできますか。
企業型確定拠出年金(DC)の移管届
会社で年金を積み立てて資産運用している場合は移換手続きをします。
転職先が決まっていて、新しい会社でも企業型確定拠出年金(DC)を導入していれば、移換届の提出で手続きをしてくれます。
自営業や主婦(主夫)、無職になる場合は前の会社で運用していた口座から自分で開設した個人型確定拠出年金(iDeCo)の口座へ資金を移動させなければなりません。
もし退職日から6ヶ月以内に手続きをしないと「特定運営管理機関」に自動的に移換されてしまいます。
- 移換手数料が必要
- 事務手数料が必要
- 運営管理手数料(月単位)が必要
- 特定運営管理機関から個人の口座へ移管に手数料が必要
- 現金で管理され資産運用されない
移換しないと理不尽なデメリットしかないです。
お金を預けて減る銀行みたいですね。
株や投資信託などで資産運用をしている人なら、どういったことなのかはすぐ分かると思いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)を提供している証券会社がたくさんあって、どれが良いのか正直迷います。
資産運用が全く初めての人は、違いを比較するために資料請求から始めた方が良いかもしれませんね。
被扶養者(異動)届
会社員を辞めて主婦(主夫)になる場合は、被扶養者(異動)届を身内が務めている会社(健康保険組合)に提出します。
被扶養者として認定してもらう条件は各健康保険組合によって違うようです。
例えば、アルバイト(パート)や個人の得意を売る仕事(ユーチューバーなど)で何か収入があるだけで、認定してもらえないところもあると聞いたことがあります。
- 被扶養者(異動)届
- 離職票
- 給与所得の源泉徴収
本当に会社を退職していて、今後安定した収入の目途が立たない場合に被扶養者として認定されます。
審査は書類提出だけで、会社に出向いたり電話で本人の確認をすることはなく、すぐに認定されました。
詳しくは認定してもらう健康保険組合にご確認ください。
確定申告に必要な書類
先ほどもお伝えした通り、転職で新しい会社に勤めていない場合は税務署が収入を把握できていません。
確定申告で報告します。
- 給与所得の源泉徴収(前の会社の)
- 控除に必要な書類(生命保険控除証明書など)
- 給与所得の源泉徴収や明細(パートや簡単なお仕事の給与明細)
など
上記書類を日頃から保管しておいて、確定申告の時期(基本的に毎年2月16日〜3月15日)に探し回らないようにします。
現在は、パソコンがあればe-Tax(インターネット上の申告)で簡単に確定申告ができます(基本的に書類提出なし・要5年間保存)。
便利なe-Taxを使うには、マイナンバーカードと下記のような専用ICカードリーダーが必要です。
もしマイナンバーカードをまだ発行していなかったり、ICカードリーダーを持っていない場合は「パスワード方式の届出完了通知」があれば、IDとパスワードでe-Taxにログインできます。
この「パスワード方式の届出完了通知」は税務署に行って、本人確認後に発行してもらえるのですが、暫定処置で近い将来になくなると言われています。
税務署の方に伺うと、「ハッキリしたことは決まっていませんが2~3年後(2022年~2023年頃)にはなくなるかも」とおっしゃっていました。
いずれID・パスワード方式はなくなるのですから、早めにマイナンバーカードを作った方が良いですね。
早めに作ります。確定申告自体は初めてでも数字を入れるだけで簡単でした。
さいごに
退職後に回収・提出した書類を思い出せるだけ書かせていただきました。様々な書類があって、退職代行にお願いした後は特に誰にも聞けず戸惑うと思います。
まだ抜けている書類があるかもしれませんが、”ざっとした流れ”だけでも掴んでいただければ幸いです。