部屋の片付けをしていると、クローゼットの奥から整備士時代の給与明細が出てきました。
それは、入社してから7年目の給与明細で働けど働けどお給料が上がらなかった時の明細です。当時の生活と会社に言いたいけど言えなかったことを、この記事に書き綴っています。
自動車整備士の給料(手取り)がどれくらいなのか気になる方に向けてご説明していきます。
自動車整備士(正社員)7年目の手取り額
出てきた給与明細で一番古かったのが2012年5月。正社員7年目のお給料です。
ちなみに民間の整備工場ではなく、誰もが知っている大手自動車ディーラーに勤めていました。
勿体ぶらず早速ですが、はい。どうぞ。
7年目で手取り14万円弱!残業代込み!/(^o^)\
このころは年間休日が102日だったと記憶しています。
世間一般的に年間休日はどれくらいあるのでしょうね。カレンダー通りに休みがあって、年末年始のお休みを含めると120日前後というところでしょうか。
そう考えるとめっちゃ少ない手取りですね。
120日お休みがある人と比べて年間18日も多く働いているうえに、給料が少ないのは悲しい。自動車整備士という国家資格でこの待遇ですよ。
自動車整備士の初任給は?
初任給は16万円だったと記憶しています。
物価の上昇や昇給(昇級)システムの変更があり、あとから入ってきた後輩の方が初任給が高い…。入社していきなり給料で負けていたのも納得いきませんでした。
基本的に一年毎に3,000円の昇給。よっぽど優秀な成績だと5,000円アップしたり、よっぽどダメだと1,000円とか2,000円アップに減らされます。
まあ基本的には3,000円アップです。
一年間の経験を積むごとに、月3,000円のお給料が増えるのですが、「税金、年金、保険、組合費」が上がるので、月に3,000円増えたくらいじゃ追いつかないのです。
↑年次を重ねるごとに給料(手取り)が少なくなるスパイラル。
入社して1年目より3年~5年目くらいが一番手取りが少ないです。3年目はおおよその手取りが11万円くらいで、その時点で賢い人は転職していましたね(それでも遅いくらい)。
自動車整備士の昇給(昇級)システム
部長 |
店長 |
副店長 |
トップ(フロントマン) |
ベテランエンジニア3,2,1 |
エンジニア3,2,1 |
ルーキーエンジニア3,2,1 |
このように職責をランク付けされていました。新入社員はルーキーエンジニア3からスタートします。
このランク付けの何がいけないのかというと、エンジニア(整備士)のランク付けが細かい。細かいうえに滞在するランク内で給料の上限が決められていて頭打ちをするのです。
例えば、下から3番目の「ベテランエンジニア」の給料上限が20万円だとすると、何年務めてようが次の「トップ」に上がらない限りはずっとお給料が20万円です。
昇格しようにも会社から嫌われてしまうとアウト。
やる気のない先輩は昇格できず、20年以上働いてるにも関わらず僕の方がお給料をもらっていました…。評価の仕方も不透明なところが多く、結局は上司(店長)の好き嫌いで評価しているのではないかと感じます。
車の整備をしていて優劣をつけるところなんてないですからね。
きっちり整備をして当たり前の世界。
用品販売の実績や社内の業務検定がありますが、特に個人別で何個売ったとカウントしていた訳でもないですし、業務検定で下位の人が昇級することも珍しくはなかったです。
やっぱり、その人が「できる人」か「できない人」なのかは上司の「イメージ」です。
頑張っているのになぜか昇格できない人はいずれ頑張らなくなります。つまり、怒られない程度のギリギリのラインで働くようになってしまいます。
14万円弱の手取りで当時の生活は?
手取りが少ないので実家暮らしです。一人暮らしなんてとてもじゃない。もちろん車が好きなので少ない手取りでも車を保有していました。
しかし、ガソリン代、税金、保険、メンテナンス代など、車にかかる費用と実家に入れていたお金を除くとほとんど貯金が出来ていなかったです。
社会人になって飲み会や合コンの席で「給料いくらもらっている?」という話題にもなります。「14万円弱です!」とは恥ずかしくて、とても言えなかったですね。
女性から見て男性の手取りが14万円弱って言われたらどうですか?ないですよね。
その場にいる同年代の女性にも普通に負けてました。大手不動産会社に勤めていた友人(同級生)は、既に手取り30万円を超えているとのこと。
ビル丸ごととか大きな契約が取れると、7桁の臨時ボーナスが入るとも言っていました。
↑7桁ですよ?動かしているお金の額が違いますね…。
給与が低いと離職率が高い
自分が働いた成果がお給料として反映されないとモチベーションの低下へつながります。
実際に自動車整備士の離職率は高く、入社当初の同期は11人いましたが、今月に僕も退職するので2人しか残っていません。
会社は整備士の補充をしなければいけないけど、なかなか入ってこない。
会社曰く、「求人をかけても募集がない」とのこと。そりゃそうでしょ!給料が安いし休みが少ないんだから!条件が悪い会社に誰が好き好んで入ってくるか。
ちなみに「自分の勤めている会社名+評判+社員」でGoogle検索をすると、社員や元社員の口コミが見れて面白いので、ぜひ試してみて欲しいです。
良いことがたくさん書いてあったらホワイトな会社かもしれませんね。
悪評ばかりならブラック会社の可能性が非常に高いです。僕が就職活動をする頃は、既にインターネットが普及していましたが、ネットで評判が見れるなんて知らなかった。
現代っ子はこういう口コミも参考にして就職活動をするそうです。
さいごに
自動車整備士のお給料(手取り)についてお伝えしました。
昔は会社にとって都合の悪いことを隠せていましたが、インターネットの普及により明るみに出ることが多くなりました。すごく良い流れだと思います。
サービス残業や休日出勤、「人件費削減」という名の給料カット。
社員を大切にしない会社運営を正したことで利益が確保できなくなったり、人手不足になったりするのは自業自得です。使い捨ての駒のように人を扱う会社には人が集まりません。
社員をバカにしてはいけない。