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『点検したばかりなのに故障した』とお客様から言われる苦悩

点検したばかり 車

 

自動車の定期点検や車検を実施した後に車が故障して『点検をしたばかりなのに…』と言われたことがありました。車で出かけた後に、なにか不具合があっては困る。未然に防ぎたいから点検を受けるという方がほとんどだと思います。

中には車検後に『これで2年間、安心して乗れるね』とおっしゃる方もいました。定期点検や車検はその時点で異常がないかを見ているので未来のことまでは正直分かりません。

 なぜ点検したばかりの車が故障するのか

もちろんタイヤやブレーキ、バッテリーなどの消耗品は交換時期を予測することはできます。近々交換しないといけない箇所をお伝えしないことは整備側のミスです。しかし点検したばかりの車が故障しても不思議なことではありません。

部品の寿命

『点検に出した後に壊れた!』

今まで問題がなかったのになぜか点検した後に不具合や故障が発生するんですよ。ヒューズが切れたとかミラーが閉じなくなったなど、点検項目と関係がなく触っていない部分が特に。

諸行無常。形あるものは必ず(いつか)壊れると便利な言葉がありますが点検や車検をした後に『たまたま』寿命がくることはよくあります。メーカーの保証が残っていれば部位によっては無償で対応できるのですが、保証切れの場合は有償になってしまいます。

すぐに理解していただけるお客さんばかりではないので時にはトラブルになる場合も。どうしても納得できない場合、まずは『自動車整備振興会』に相談するのがおすすめです。第三者として中立な立場で車のトラブルに関して相談をすることができアドバイスをしていただけます。各都道府県の支部ごとにサイトがありますので詳細は『お住いの都道府県+整備振興会』で検索してみてくださいね。

内部の詳細は確認できない

点検したばかり 故障した

基本的な点検は目視と異音がしていないかの確認です。例えばエンジンの点検でエンジンの中身までは見ませんというより見れません。エンジンの蓋を開けて中身を見るだけでも簡単なことではないです。

蓋を開ける為に別の部品を外す必要があったり一筋縄ではいかないんですよ。エンジンに使われている防水や防油パッキンは一度取り外すと再使用不可の物がほとんどです。外した部品は新品に交換しなければいけません。

不調を感じないのに部品を交換したり本当に内部まで確認しようと思うとたくさんの時間とお金が必要になります。車検ごとに40万円も50万円もかけれませんよね。必然的に消耗品以外は『壊れてから修理をする』になってしまいます。

劣化や整備士の判断ミスの場合も

残念ながら整備ミスや判断を間違っていたのが原因で故障してしまう場合があります。取付ミスや調整不足は言語道断、整備士に落ち度がありますがなかには点検で触ったことが原因で壊れてしまうことも。

触っただけで壊れる

主に劣化が原因なのですが点検で久しぶりに触ったことでゴム部品や樹脂(プラスチック)部品が壊れてしまうことがあります。滅多に開けない窓ガラスの防水ゴムがガラスにへばりついていて剥がれてしまったり、劣化してヒビ割れした樹脂部品に触れたことでトドメを刺してしまうことも。

明らかに壊れているのなら気が付くのですが表面上壊れているようには見えない場合があります。『整備が触ったから壊れた』には部品の劣化が原因の場合も考えられます。人間だって急に運動をすれば身体が痛くなります。全く動かしていない=壊れないってことではないのです。

本当の原因が何かを突き止めなければいけない

定期点検ではバッテリーの点検をします。バッテリーの内部電圧や使用年数を考慮してお客さんに交換のおすすめ時期を伝えます。仮に点検の時にバッテリーの時に電圧が下がっていたとしましょう。『3年以上使っているし電圧が下がっているので交換しよう』だけでは不十分なんですね。

3年以上使っているとバッテリーの寿命が原因の可能性が高いですがまず大前提にきちんとオルタネーター(発電機)で発電できているかの点検が不可欠です。発電がきちんとできていないと新品のバッテリーに交換しても数週間から数か月でまたバッテリーが弱り、最悪エンジンの始動が出来なくなってしまいます。

バッテリーの電圧が下がった理由は何なのか?本当の原因が何かを突き止めなければ点検をしたばかりなのに故障や不具合が発生する原因となってしまいます。

さいごに

自動車の整備をしていて今は不調はないけど本当は交換したいと思う部品が沢山ありました。すべてを交換すると高額になってしまうしユーザーには押し売りとして不審がられる。どう伝えるか難しいところです。

点検によって未然に防げる故障と防げないものがあり、点検や車検をしたばかりなのに車に不具合が発生することはありえます。何かあった時に備えて、JAFやロードサービスの電話番号を控えておく。今は大丈夫でもいつか不調が発生する時がくるということを知っておく心構えが必要です。