炎天下に長時間駐車した車内は灼熱地獄。
夏場にさぁ出かけようと車のドアを開けると熱気がすごすぎて、すぐには乗れないこともしょっちゅうありますよね。
それもそのはず、ロードサービスのJAFによると車内温度は50℃以上、ダッシュボードの上は70℃以上にもなると報告されています。
そんな高温の車内に置き忘れていたり、乗せ降ろしが面倒であえて放置していると危ない物がたくさん。
この記事では、夏の車内に放置していると危険な物を元整備士が実体験をもとにご説明します。
夏の車内に放置していると危険な物
- 洗車用具(プラスチック系)
- 100円ライター
- 精密機械
- 缶ジュース・ペットボトル
- マスコット・芳香剤
洗車道具(プラスチック系)
洗車道具を車内に放置している人も多いのではないでしょうか。上の画像はカーシャンプーの蓋が熱による劣化と内圧で割れて、バケツ内に落ちている状況です。
定期的に洗車に行くし、荷室に置いておこう。
乗せ降ろしが面倒なこともあり、このような考えで洗車道具一式をずっと車内に放置。
真夏になった頃に荷室を確認すると、この様な状態になっていて危うく荷室がずぶ濡れになるところでした。
幸い、洗車バケツ内に拭き取り用のタオルを敷きつめていた、かつボトルを立てて収納していたので倒れず漏れ出てはいません。
荷室のカーペットが液体洗剤で水浸しになると処理が大変でほんとに悲惨です。プラスチックが使われている洗車道具やプラスチック製品を車内に放置している人は気を付けてくださいね。
100円ライター
100円ライターの車内放置は本当に危険です。実際に僕は車内で破裂したことがあります。
仕事から帰ると父が「車の防犯アラームが鳴ってたぞ」と言うのですぐに確認してみると、ダッシュボード内の小物入れに入れていた100円ライターが木っ端微塵に吹き飛んでいました…。
中(影)に入っているし、直射日光に当たっていないから大丈夫かなと思いましたがダメ。
普段は見えないところですが、大切にしていた車の小物入れの中に破裂によるキズが付いていたのもショック。
多分、100円ライターに小さなキズが付いていて、高温になった環境下での内圧に耐え切れず破裂したのだと考えます。
精密機械
自分で録音した音楽や映像を手軽に楽しめるカーナビが普及したことにより、SDカードやUSBメモリなどの精密機器(記憶媒体)を車で使う機会が増えました。
精密機器は熱に弱く、炎天下の車内に放置すると思ったよりも寿命が短くなってしまう恐れがあります。
例えば、ドライブレコーダーも精密機器(記憶媒体)を使います。
ドライブレコーダーの装着が一般的になり始めた頃、お客さんから「ドライブレコーダーの画面にエラーが出る」というクレームが多発しました。
故障診断をしてみるとほとんどの原因はSDカードの劣化。
昔から耐温度が「-25℃~85℃」の高耐久品が出ていますが、通販サイトで売っている無名メーカーの“妙に安い製品”はそんなことを考えていない可能性が高いです。
- 安く売っているから選んだ
- 余っているSDカードを使っている
このような場合は高温になる車内に適していない物を使っているかもしれません。
大事な場面で記録ができていなかったり、大切なデータが消える恐れがあります。絶対に消えない保証はないですが、都度取り外すか適切な物を使用しましょう。
缶ジュース・ペットボトル
車内で飲む用に箱買いした缶ジュースやペットボトルを放置する人が一定数います。高温にさらされると中身が変質したり、容器が破裂することもあるので夏場は危険。
実際に昔、後輩がエナジードリンクをずっと放置していて、「やめとけ」って言っているのに「大丈夫っす」って飲んだところお腹を壊しました。
当時は「暑いと未開封でも本当に中身が悪くなるのだなぁ」と感心したのを覚えています。
体調に関わることですし飲み物を無駄にしてしまいます。美味しくいただくためにも、注意書きにしっかりと記載されていることは守らなければいけませんね。
マスコット・芳香剤
うちの車の犬 pic.twitter.com/FVeyroIiug
— 未来@future【いいねほすぃ…】 (@1122_827) August 13, 2019
こんなの悲劇としか言いようがないですね。ジェルっぽい素材のマスコットはダッシュボード上で溶けます。へばりつくと掃除が大変ですので、夏は一時撤去しましょう。
あと意外と盲点なのがジェル状の芳香剤。ダッシュボードの上に両面テープで貼り付けている人もけっこう多くて、最悪の場合は中身が飛び出て周りが”ぐっちゃぐちゃ”になります。
カー用品店で売っている芳香剤は高温に考慮していてセーフな可能性が高いのですが、100均で売っている物やゲームセンターで獲得したキャラ物は基本的に「家用」なのでアウトです。
某海賊王の「手配書型滑り止めシート」の上に芳香剤を置いていたお客さんはラミネートみたいに包まれていて、すべてが一体化していました…。
甘い匂いがするベタベタを「キレイに掃除して」って依頼された時はきつかった。
さいごに
炎天下の車内に放置していると危険な物がたくさんあります。まだまだあるのですが、ここでは5選としてご紹介させていただきました。
車内放置は危険なだけではなく、いつの日か愛車を手放す時に「著しい汚れや染み、におい」があると査定額に響くと考えられます。
化粧品や缶スプレー、消せるボールペン、おもちゃなど想定外の高温で悪くなりそう・溶けそう・破裂しそうな物は忘れないうちに車から降ろしておきましょう。