今回はディーラー整備士の退職金についてです。
僕は自動車整備士として14年間勤めました。今年3月に退職し退職金が振り込まれたのですが、思ったより額が少なかったです。
退職金はすべての会社が導入している制度ではないので、「出るだけマシ」という方もいらっしゃるかもしれません。
多いか少ないかの判断は、この記事を読んでいただいている方にお任せします。
特に、これから自動車整備士になろうとしている方と現役の整備士の方に、14年間働いたディーラー整備士の退職金は「これくらいの額だ」ということをお伝えします。
ディーラー整備士の退職金はいくらもらえた?
僕が務めていたディーラーでは3つの退職金(年金)制度を設けていました。
- 退職金
- 企業年金基金
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)
それぞれの退職金について詳しくご説明します。
退職金
税制で優遇されるので、退職金は退職一時金(一括払い)で受け取りました。額面は316,200円です。
一般的に退職金の算出方法は3種類あります。
- 基本給連動
- 定額制
- ポイント制
316,200円という額はポイント制で算出されています。計算方法は以下の通りです。
(勤続ポイント+職責ランクポイント+評価ポイント)×ポイント単価10,000円×退職事由係数=退職金
退職代行サービスを利用したのが原因かは不明ですが、退職事由係数がアホほど低くて200万円以上あった退職金が31万円まで下がりました。
定年退職まで働いたのか、会社事由なのか、自己都合なのかで係数が変動するのでしょうけど、退職事由係数で結局減算されるのはズルい。
企業年金基金
企業年金を簡単にご説明すると会社が社員の老後の為に公的年金に加えて設けている制度です。
企業から退職したので脱退一時金として退職金を受け取りました。
企業年金基金の脱退一時金(退職金)は360,300 円です。
退職一時金としてもらった額より脱退一時金の方が多いですね。退職事由係数が低すぎて、いかに退職一時金が少なかったかが分かります。
企業型確定拠出年金(企業型DC)
確定拠出年金とは、企業もしくは企業と社員が年金として積み立てながら、その資金を自分で運用して老後の年金(退職金)を増やして受け取ろうという制度です。
掛け金は会社が積み立ててくれていたようでしたが、毎月の積み立て額はかなり少なかったです。
運用益を引くと350,000円ほどを預けている状態です。確定拠出年金は原則60歳以上にならないと受け取れません。
退職金の合計額
14年間務めたディーラー整備士の退職金の合計額は約1,02,6500円です。そのうち、すぐに受け取れた退職金が676,500円です(残りは60歳以上になってから)。
多いと感じましたか?少ないと感じましたか?
東京都産業労働局中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)によると、中小企業で高校卒、15年勤続、自己都合退職のモデル退職金の平均額が1,702,000円です。
統計上の数字とは言えど70万円も差があると驚きます。
ちなみに同条件で定年退職まで働いたモデル退職金は11,268,000円とのこと。前の会社でそんなに貰えるとは思えません。
さいごに
ポイント制の退職金制度は評価基準が公表されておらず、完全にブラックボックスです。
将来、いつの間にか職責ポイントや評価ポイントを下げられる可能性も考えられます。つまり、退職金がいくらもらえるかは退職するまで予想がつきません。
もし約30年後の定年退職までディーラーで働いていたら、退職金はいくらになっていたのだろうか。
退職事由係数で誤魔化されて、きっと少ないのだろうなと思います。