パチンコ店に行ってしまう人について、一時期は連日のようにニュースで取り上げられていました。
自粛ムードが続く中で「今は行くべきではない」という声が多く、パチンコやパチスロをしない人からすると、「なぜそこまでしてもパチンコ店に行くのか?」という疑問があったと思います。
「パチンコ店は悪影響(要らない)」や「三店方式」の問題はさておき、この記事では、ギャンブル依存症がパチンコ店に行ってしまう理由をご説明します。

僕はパチスロにのめり込んでいた時期がありました。今は行っていませんし、行こうとも思いません。
ギャンブル依存症がパチンコ店に行ってしまう理由
- 音と光に吸い込まれる
- 勝てば官軍負ければ賊軍の心理
- 何事にも楽観的・良いように捉える
音と光に引き込まれる
競馬や競艇、競輪などの公営ギャンブルとは違い、パチンコやパチスロは少し特殊な環境で遊戯します。
ほとんどの筐体は大音量の音楽や効果音、強い光が使われており、長時間見続けると感覚がおかしくなっていきます。
「キュイー!」「ピキー!」など、超高周波数の効果音がここぞというシーンで鳴ります。パチスロのルールが分からない人でも、ぜひ一度、上記動画を視聴してみてください。
(※イヤホン推奨)
そして明るすぎるLEDや虹色で眩いばかりの光を見ていると判断力を奪われます。
超高周波数の音と眩い光は特に「当たりのシーン」や「チャンスの場面」で発生することが多く、言わばご褒美。
次第に「また欲しい」という不思議な感覚に陥り、音と光に引き込まれていきます。



今見ても“ふわふわ”した感覚になりますね。
例に挙げた「大手遊戯メーカーのサミー」や「題材となっているカイジ」が悪いという訳ではありません。
この手法は昔から使われており、2003年頃に設置された「大都技研の吉宗」でも、「キーン!(次回大当たり確定音)」や「ピーヒョロロー!(チャンスゾーンの効果音)」など、打ち手を気持ちよくさせる工夫が施されています。
リスクも勝てば官軍負ければ賊軍の心理
「勝てば官軍負ければ賊軍」とは、道理はどうであれ勝った者が正義者となることわざです。
パチンコやパチスロで例えると、大金が無くなってしまったり時間を無駄にするリスクがあっても、「勝てば丸一日遊べて、しかもお金が増えて得をする」という心理が働いています。
ですので、お金を借りてまでパチンコ店に行き、「勝って増やせば良い」「勝てば何とかなる」という人が沢山います。
出玉規制の強化と遊戯人口の減少で、昔と比べて勝てる確率がグンと下がっていて、本当に勝てる気がしません。
それでも行ってしまう人は本当のギャンブル依存症。このリスク(スリル)に味わうためにパチンコ店に行っているようなものです。
例えば、遊園地のジェットコースターは高いところをすごいスピードで駆け回ります。
これが子供向けのようなスリルをまったく感じないコース・スピードだとすると、乗りたいと思う大人はほとんどいませんよね。
ジェットコースターは安全を確保されていますが、ギャンブルは生活に関わるほどの危険性と当たるまでの苦痛が強烈。
だからこそ一度甘い思いをすると、もう一度味わいたいと強く思う依存的な気持ちになってしまうのです。



薬物に関してですが、しあわせな環境(ネズミの楽園)のラットは依存しにくくて、苦痛を伴うと依存しやすくなるという実験です。興味がある人は読んでみてくださいね。
何事にも楽観的・良いように捉える
昔、パチスロにのめり込んで会社のお金を着服した先輩は、無茶苦茶なことばかりを言っていました。
- 雨の日は勝てる
- 6や7が付く日は出す
- 今日は仕事を頑張ったから勝てる
- 昨日は負けたから今日は勝つ日(勝ち負けの順番がある)
勝てる根拠になっていないですね。
「○○の日や設定6、ラッキー7」など、何となく縁起の良さそうだったり、出しそうと連想する日はむしろパチンコ店は逆張りしていて出さない傾向があります。
そして、お正月やお盆などの大型連休は、黙っていても(集客しなくても)遊びにくるお客さんが多い。
パチンコ店にとって大型連休は書き入れ時で、出す(出ますよアピールする)必要もなく、台が壊れているのではないかというくらい本当に当たりません。
でも、ギャンブル依存症は何事にも楽観的で良いように捉えて、「自分だけは勝つ」という謎の理論を持っています。
- 自粛や規制で売上が減少している
- ライバル店がお休み
- 開いている1店舗に集中する
このような状況で出す必要がないというのは、少し考えたら分かることです。しかし、越県移動をしてまでパチンコ店に行っていた人がニュースで取り上げられていました。
僕自身も昔はこの理論があって、勝つ可能性は低いけど「他のお客さんは負けて、自分だけは勝つ」という気持ちがあったのは事実。
経済を回すという意味で行っていた人も中にはいらっしゃるとは思いますが、「罹患する危険性や高確率で負ける」と分かっていてもパチンコ店に行ってしまう理由は、「リスクを好み、良いように捉える心理」があるからです。
「パチンコ・パチスロに行きたい」と似ている感覚
パチンコやパチスロを打たない人からすると、「我慢はできないのか」と思いますよね。
どうしても打ちに行きたいと思う心理を表現するのは難しいですが、似ている感覚を発見しました。ギャンブル依存症になったつもりで、イメージしていただければと思います。
ギャンブル依存は寝る前に食べたくなる夜食に似ている





まさにコレです!
寝る前に食べると太りそう、健康に悪そうと思いつつも、我慢できなくて食べてしまう夜食。お金と時間の無駄だから行くな、と言われていても行ってしまうギャンブルは感覚が似ています。
もっと言うと、奥さん(旦那さん)が寝ている間に家を抜け出して、夜中まで営業している美味しいラーメン屋さんに行こうとしてしまう感覚はそっくりだと思います。
- こっそりと家を出る罪悪感
- 真夜中の不健康な飲食
- 無駄使いになる
- 悶々とした気持ち
この悶々とした気持ちを我慢できますか?
昨夜の午前3時、僕はまさにこの状態に陥ってしまい、24時間営業の「一蘭」に行こうか悩みに悩んで「カップ焼きそば」で我慢しました。←我慢できていない。


「食べたいけど食べてはいけない。我慢…がまん…gaman…」
今回は「奥さんに小言を言われる、ラーメン屋さんまで車で30分かかる」がネックで、カップ焼きそばで妥協。
しかし、湯切りするまでの間にメニューを見たり、最寄りの店舗が本当に今の時間に開いているのか?近くに24時間営業のラーメン屋さんが他になかったか?なんてことを確認するところまでいきました。
残念ながら、夜中の3時でもバッチリ営業しているんですよね。
お店が開いているんだから「行かない理由」はなくなってしまいます。パチンコでも同じで「開いてるんだから行く」のです。
我慢は非常に苦しく辛い。喜び・幸せ・満足を味わいたい。だから行ってしまう。これがギャンブル依存症の怖さです。
おわり。