スバルのアイサイト(EyeSight)搭載車に自分で撥水ガラスコートを施工しようか悩んでいる方へ。
急な飛び出しや操縦ミスの際に交通事故を未然に防いだり、被害を軽減してくれるアイサイト。
まもなく新型車は自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の装備が義務化されることもあり、現在でも標準で搭載している車種は人気です。
雨の日の視認性を考えてフロントガラスにガラスコーティングを施工したいところですが、スバルにやってもらうと高い…。
スバルの撥水ガラスコートは「ウルトラウインドウコーティングDeluxe」という名称で、登録車(普通車)の場合はフロントのみが6,900円、全面施工で22,500円となかなかのお値段です。
では、量販店でガラコなどを買ってきて「自分で塗っちゃえば安上がり」と誰でも考えますよね。しかし、コーティング剤をアイサイト搭載車に塗ることは禁止されています。
水分が水滴状態になりカメラの視界を遮る場合があるのでフロントガラスにコーティング剤をつけないでください。
引用元:スバル アイサイトのしくみ
禁止されているけど無視してアイサイト搭載車に自分でガラスコートを塗るとどうなるのか?
結論から先にお伝えすると、1年間は問題がなかったけど「ガラスコートの剥がれ(油膜)」と「ワイパーの劣化」が発生した雨天時に、アイサイトのエラー表示が出ました。
詳しくご説明します。
アイサイトはガラスコートの劣化でエラー表示が出る
- カメラが前方を認識できない
- 許容範囲を超える気温
- 車両データと不一致
- アイサイトの故障
上記はアイサイトが機能しなくなる原因の例です。
自分でガラスコートをすると1年間は問題ありませんでしたが、雨の日に“ポポーン”という音と共にアイサイトのエラー表示が…。
雨の日だったので「フロントガラスの水滴で前方を認識できていない」とすぐに勘づきました。
ガラスコートの油膜がエラー表示の原因
すこし見にくいのですが、フロントガラスが油膜でギラギラです。
ワイパーを使っても運転席側だけが綺麗になって、助手席側は中途半端に水スジが残ったままでした。
これじゃあカメラが前方を確認できずエラーも出ますね。
スバルの自動ブレーキは2つのカメラだけで物体の距離やスピードなどを認識しています。片側でもカメラの視界を遮るとアイサイトの機能を停止してしまうのです。
- プリクラッシュブレーキ
- クルーズコントロール
- ツーリングアシスト
- アクティブレーンキープ
- ハイビームアシスト
- 誤発進抑制制御
カメラを使う安全機能全般ですね。カメラは使いませんが、もしかすると後退時の制御も停止しているかも。
前方を認識できないとアイサイトが機能しない
人間の目と同じようにアイサイトもカメラで前方を見ています。
2つのカメラで物体を立体的に見ることができるので、他のセンサーがなくても「距離や大きさ、速度、自動車、歩行者、白線など」の細かな認識が可能です。
他社の自動ブレーキは「単眼カメラ+レーダー」の搭載がほとんど。1つのカメラ(単眼カメラ)で前方の車を見ると“平面の物体”としか認識できません。
そのため、カメラで前方を見たりレーダーが跳ね返る時間や周波で距離や速度を測る(補う)、それぞれの役割分担で前方の物体を認識しています。
どちらが良いのかは一長一短。
アイサイトのステレオカメラを使うと「立体像として高い認識力」「部品点数が少ない=コスト減・軽量化」のメリットがありますが、視界が悪い時は苦手です。
他社の「単眼カメラ+レーダー」は視界が悪くても認識しやすいですが、配線を含めて部品点数が増えますし、フロントグリル内にレーダー装置がある車種はぶつけると真っ先に壊れます。
トヨタとスバルが業務資本提携の強化をしているので、今後は安全装置の共有(アイサイト+レーダー)を作る可能性も考えられます。※高額になってしまう問題あり
いずれにせよ、フロントガラスに下記のような見えにくい状況が続くとアイサイトにエラーが出る可能性が高まります。
- 雨の日(豪雨・油膜)
- フロントガラスの汚れ・虫の付着
- 飛び石(ヒビ割れ)
- 強い太陽光
晴れの日でもガラスが汚れていたり、飛び石でヒビ割れていたら気付きやすいと思いまが、逆光でエラーが出ていたら一時的なことなので、何が原因なのか分かりにくいかもしれません。
一時的な原因はそのまま走行していると勝手にランプが消えて復旧します。
つまり、停車してエンジンをかけ直す必要はなく、故障していると疑う前に、まずカメラの視界が遮られていないかの確認をしてみましょう。
油膜の除去とガラスコートの再施工でエラーは解消する
しっかり撥水できていた時はアイサイトのエラーが出なかった訳ですから、再度ガラスコートを施工すれば問題は解消します。
超定番の油膜取り(キイロビン)でガラスの油膜を取り除きます。
使い方はガラス面の汚れを水洗いで取り除いてから付属のスポンジでゴシゴシこするだけです。油膜が取れると、フロントガラスに水をかけても弾かずに“ベター”っと水が張り付きます。
油膜取りを使う理由は、油膜の上から新しくガラスコートを施工しても上手く定着しないからです。
コーティング表面がガタガタの状態では均等にコーティングができず、本来の撥水力が発揮できないですし長持ちもしません。少しの手間でキレイに施工できますよ。
「ガラコ」や「クリンビュー」など、ガラスコートはお好みで良いと思います。今回は「スマートビューone 耐久タイプ」にしてみました。
「油膜がつきにくい」とも書いてあるので、きっと長持ちするでしょう。
スプレータイプやワイドフェルトタイプだと塗りやすくて簡単です。あとはワイパーゴムも一緒に交換しておいた方が良いですね。
ワイパーゴムの劣化もエラーの原因
車外にあるワイパーゴムは劣化が早いです。紫外線や雨風で徐々に硬くなり柔軟性がなくなると、しっかりガラスに密着しなくなります。
ワイパーゴムが劣化していても雨滴が拭き取れずアイサイトのエラー表示が出る原因の一つとなります。
エアロワイパーのインプレッサスポーツ(GT6)の場合は、外品ですとNWBの「AS40GN・AS65GN」が適合品です。
粒子でコーティングされたグラファイトタイプのワイパーは滑りが良く、ガラスコートが剥げにくいのと引っかかり音(ビビり音)がしにくいメリットがあります。
引き抜いて入れるだけなので自分で作業しても良いですし、不安でしたらオートバックスで購入して工賃を払うと作業してくれます。ワイパーは定期的(1年以内)に交換しましょう。
これでまた1年間はアイサイトのエラー表示は出なくなるはず。
スバルのフロントガラスコーティングは2年の持続
スバルのフロントガラスコーティングは専用撥水ワイパーを使うと2年以上持つとのこと。もし2年後に再施工しない場合はコーティング剤の除去(有料)が必要と書いていました。
結局のところはスバルで施工しても自分で施工しても、撥水ガラスコートが剥がれ始めたらアイサイトに影響が出るのでしょうね。
さいごに
スバルは「フロントガラスにコーティング剤をつけないでください」と言っているので、指示に従う方が安心なことは確かです。
ただ、施工代が高くて安く済ませたい人や車が好きな人はやっぱり自分でやりたいですよね。
繰り返しになりますが、アイサイトが付いている車にガラスコーティングを自分で施工しても1年間は大丈夫で問題ないですが、剥がれた油膜が原因でエラー表示が出て機能が停止します。
コーティングをする場合は自己責任でお願いします。
アイサイト搭載車に乗っている方が自分でガラスコートをしようか悩んでいる際のご参考になれば幸いです。