ライフスタイル

こどもの転落事故はなぜ起こるのか?危険はベランダだけではない

マンションのベランダ

 

こどもがマンションから転落する痛ましい事故をニュースでよく目にします。ベランダから転落することに目が行きがちですが、危険なのはベランダだけではありません。もう30年ほど前の事ですが、当時住んでいた10階建てマンションから危うく飛び降りかけたというお話をします。

マンションの共有スペースも子供にとっては危険な場所になる可能性がありますのでご注意を。

こどもの転落事故はなぜ起こるのか

30年ほど前の僕は4~5歳で幼稚園に通っていた頃です。当時は10階建てマンションの3階に住んでいて、こどもながら高所から落ちると命に危険があるという認識はありました。

ニュースを見て認識が変わる

大人かこどもか。誰が落ちたのかは覚えていませんが、高所から転落して重傷を負ったとニュースを見ました。ニュースの映像では駐輪場の屋根が凹んでいて、それを見て「ワンクッションすれば助かるんだな」と当時は思いました。

重症=亡くならなかったという事実から高いところから落ちても「上手く足から着地すれば平気なんだ」という間違った認識が生まれてしまったのです。

面白そうだしやってみよう

「面白そうだからマンションの10階から飛んでみよう」

今思うとゾッとしますが、危険を認識していない4~5歳の発想は恐ろしいです。「高所から落ちると危ない」から「高所から落ちても平気」に変わり、実行してみようになったのです。

しかも自分だけではなく友達を引き連れて。

ベランダだけではなく外廊下が危険

ベランダは大人の監視があるので、マンションの10階に行って外廊下でやってみる話になりました。

「10階から転落したら平気な訳がない」

このことを理解している同世代の友達は誰一人いません。「やっぱり足から着地するのが良いのか?戦隊モノならこうする」とか「あのアニメでは空を飛んでた」など、どうすれば上手く着地できるかの議論が進みます。

最終的には踏み台を自分たちで用意し、10階の手すりにまたがるところまでいきました。しかし「落ちたらさすがに痛い。やっぱり危険。」との判断から事なきを終えました。

転落事故の防止策として「踏み台になるものを置かない」なんてよく言われますが、大人の目が届かないところで、こども自ら踏み台を用意してしまうという事を忘れてはいけません。

マンションの低層に住んでいるから。一軒家に住んでいるから。これも安心できません。高層マンションに住んでいるお友達のところへ遊びにいく可能性も十分ありえます。

こどもは高所が平気

高所平気症をご存知でしょうか?

高い所での恐怖感が少ない症状。高所恐怖症でなくとも、転落する危険のある場所や自分の身長より遥かに高い場所では不安や緊張を感じるのが通常の心理であるが、そのような感覚が欠けている状態を高所平気症とよぶ。4歳頃までに高層階で育った子供は、高所に対する恐怖感が欠如してしまうことがある。財団法人未来工学研究所が1985年2月に行った調査によれば、高層集合住宅の4階以上に住む小学生342人に対して行ったアンケートにおいて、7割以上が「ベランダや窓から下を見ても怖くない」と回答したという。同研究所の資料情報室長であった佐久川日菜子が高所平気症と名付けた。1987年から高層住宅に住む児童の自立の遅れについて研究を行っていた東京大学医学部助手(当時)の織田正昭もこの語を用い、さまざまな文献で言及した。

高所平気症Wikipediaより一部引用

僕はマンション最上階の友達のところへよく遊びに行っていました。普段からマンションの敷地内で遊んでいたので、僕はまさに高所平気症だったと思います。高所でこどもに「恐くないか?」と問いかけ「平気だ」と答えた時は高所平気症の疑いがあると思いますので要注意です。

固い・柔らかいの認識も未熟

駐輪場の屋根は固くクッションの役割はしません。「屋根にワンクッションすれば助かる」なんて発想になぜなるのか?それは固い・柔らかいの認識が未熟だからです。

例えば食器棚からガラスのコップを取り出して冷蔵庫にある麦茶を飲もうとします。重たい麦茶を「両手で持ちたい」と思った時に、普通はテーブルの上に一旦コップを置いてから麦茶を取り出して注ぎますよね。

僕は食器棚からテーブルに手が届かなかったので、カーペットに向かてコップを放り投げました。母からコップを投げると割れて「危ない」と叱られましたが、当時はなぜ叱られたのかわかりませんでした。

カーペットは柔らかい物でクッションの役割があり、カーペットを狙ってガラスのコップを投げても大丈夫、割れないという認識があったからです。小さいこどもは経験が足りないので物事が起きた結果の予想がつかず、どうなるのかわからないですし知らないのです。

人を叩くと痛い。物を投げると壊れる。熱いものを触るとヤケドをする。こういった経験からたくさんのことを学んでいきます。

転落事故を防止するには

自分たちで用意する可能性も捨てきれませんが、外廊下で転落事故を防止するには大人の目で監視するか、踏み台になるようなものを置かないようにするしか方法はないです。ベランダや部屋の窓から発生する転落事故は道具を使えば防ぐことができます。

窓ストッパーを使う

窓 ストッパー

我が家では防犯を兼ねて窓サッシに差し込むストッパーを使っています(ホコリで汚いですね…)。両面テープで貼り付けるストッパーも販売されていますが、力を加えると剥がれますし一度貼ってしまうと任意の場所に張り替えることができません。

サッシに差し込むストッパーは任意の場所へ設置し直すことができます。レバーを押しながらツマミを反時計回りに回さないと解除できない仕組みになっていて、ツマミを外せたり鍵で回すタイプですとより効果的です。

安全柵を設置する

安全柵

我が家ではこどもが勝手に部屋を行き来しないように安全柵を取り付けています。柵があれば転落する可能性がある部屋に行かないようにできるし、画像の安全柵のように廊下に設置しても開閉して必要な時は通ることができる。

窓用の場合は開閉しない安全柵がネットで販売されていて、突っ張り式で誰でも簡単に設置可能です。壁に穴をあけて固定しないので100%とは言い切れませんが、転落事故防止に効果があります。

さいごに

予期せぬ転落事故が起こらないために対策は万全にしたいですね。高いところから落ちるとすごく痛い。最悪命の危険性がある。この経験がなかったので、僕はいきなり10階から飛び降りても平気という発想になってしまったのだと思います。

木登り禁止。公園の危険な遊具は撤去。こどもたちを危険から守ることは重要ですが、危険だということを自ら体験し察知する機会が極端に減っているのも不安に感じます。